甲賀市在住、成人男性 Walk Through the Stars/ピーナッツくん
もう出てから結構経ったけど、ライブも始まるので感想を書きます。
ここからいろんな方法で買えるのでぜひ買って聴いてね。
で終わってもいいけど、感想を書く。
ピーナッツくん3枚目のアルバム
まあこれはみんな言ってることだけど、
1枚目『False Memory Syndrome』はアニメとしての、
2枚目『Tele倶楽部』はVTuberとしての、
そして今作『Walk Through the Stars』はミュージシャンとしてのアルバムってのは言われてるし、まさにそうだと思った。
ある種、過去よりも現在そして未来の要素が増えている気がした。
しかし1年毎にきっちりアルバム出すのガチミュージシャン過ぎるな。
統一された制作陣
今までは既存や自分向けではなく制作された楽曲を使ってピーナッツくんがメロディと歌詞を載せた形の曲もそれなりにあったが、今回は完全にピーナッツくんのためだけの曲が使われている。
作詞ピーナッツくん、nerdwitchkomugichan作曲、玉田デニーロ編曲。
他もエンジニア関係もいるのかもしれないがチームとして形になったんだと思う。
攻撃性の時代の終了
これまでは明らかにフラストレーションや冗談めかした要素も入れながらも怒りが原動力のような曲も見られていた。
今作は驚くほどそういった要素がなくなっている。ネガティブな内容もあるが、あくまで自省でそこには過剰な自傷も傲慢なほどのカマシもなくなっている。
本当にミュージシャンとして評価されていることを意識した上でのフィードバックだろう。ただ、その点が「おとなしくなった」という評価が出るのもわかるところではある。
ただ、アニメやVTuberの要素を含め外への余分な意識を取り去ったことでより「ピーナッツくん」というパーソナリティーに迫る内容になっている。
楽曲の感想
いきなり勢いのある「Roomrunner! 」から幕を開ける。
実はこれはVTuber活動の1日6000歩やルームランナー使った動画ともリンクしているのでぽこピーファンが楽しめる曲でもある。
あとこのPV中のタイトルの字からなんとなく昔のハイスタとかの時代を思い出した。
「Fulltracker」「Makeup」はVTuberとしての活動に関わる曲だが、メタい観点から3Dでの喜びなどを歌ってたりしている。
ここの感想は3Dママのさえきやひろさんの話がよかったのでぜひ。
「KidsRoomMan」は既にシングルでリリースされており、PVも早くから公開されている。今までだったら「第XX話 こども部屋おじさん」とか言ってアニメで使っていた題材かもしれない。でも今のピーナッツくんは曲にしてしまう。「こどおじ」が激烈にエモくなる。「まだ振り出しにいる ゴールはここにある」が好き。
「KFC」これ僕が知らんだけでなんかヒップホップ的な文脈の隠語含んでるのかな。マジでケンタッキーの話?あとぐるナイ好きだなおい。
「PEEPEE」出だしが激ヤバ宗教ものっぽくてドキッとしたが内省的に自分の躓きが歌われている。留学ってミシガン州だったんだ。
「TotaKK」他でも出てくるんだけど、そんなにはまってそうでもなかった割にどう森好きだな。本当にどう森でもありそうななんか奇妙な曲。
「Tamiflu (feat. チャンチョ)」そういやこの曲はチャンチョ名義なんだな。これもシングルでリリースされていたもの。もしミュージシャンとして知って聴いたらチャンチョって何?ってなると思うが、そんなことよりタミフルに強く思い入れ持つ世代って1990年~2000年以前生まれって気がするが実際どうなんだろう。PVも病的な感じ。本当に全く関係ないんだが、そこはかとなくcalifornicationのPV思い出した。
「respawn」連続でシングルリリース済。今更気づいたけど、曲調以外にもこの曲の時点で寂しさを吐露したような歌詞だったんだな。
「Youngpixar」めちゃくちゃオシャレだ。オシャレになっちゃってるよピーナッツくん。小袋成彬とか好きって言ってた気がするけど、そういう方向普通にいけるのでは。
「PetbottleRocket」他の人の感想見てる感じだと今回のアルバムで一番人気な感じのある曲。タイトル通りロケットで飛び上がっていく感じの爽快感・疾走感のある曲だけど、あくまでペットボトルなのは意味深な気もする。
「Walk Through the Stars」アルバムタイトル曲で、今回一番気に入った曲。ギターサウンド好き過ぎおじさんだから気に入ってるだけでは?って思うけど、バンドサウンドに乗せてもっとやってみてもらいたいとすら思った。「知り合いとかマジいらない」「友達をつくりたい 本当のことを話したいよ」って「PEEPEE」でもあった疎外感は音楽活動を進めていく中で自分の中で抱える気持ちが強くなってきたのかな。
「DR_0000_0212.wav」兄ぽこ咳払いが正式に聴ける名曲。というのはともかくこういった感じで歩きながら歌詞を考え録音してたんだろうなというのが目に浮かぶ。
ピーナッツくん、そして
これまでのアルバムが自分が制作したアニメキャラとしての仲間、VTuberとして関わってきた仲間との共同作業といった感じだったものが、今回は表に立つのはピーナッツくんのみとなり自身を表現していくようなアルバムだった。
しかし、この場合のピーナッツくんとは何なんだろうか。黄色い豆の擬人化アニメキャラ?PVに出てくる3D?着ぐるみ?パペット?そしていわゆる「中の人」である兄ぽこ・ご主人様?
Kids roomで走り、3Dを動かし、ケンタッキーを食い、業界人のわけわからん話をなんとなく聞き、友達がほしいと叫びながら、ペットボトルロケットで彼は飛び立ち星々を歩く。ふと現実に帰ってみると甲賀市を歩く成人男性がいた。
しかし、彼はまだしばらく「ピーナッツくん」として歩き続けるんだろう。